2023年5月25日木曜日

歌詞の感情分析

 2020年度卒業生のゼミ論文である「2020年音楽から読み取る日本の社会心情 〜流行歌の歌詞の分析〜」の内容を紹介しました。
この研究は、2000年、2010年、2020年に流行した楽曲151曲の歌詞を対象にモチーフ分析を実行し、その分析結果から日本現代社会の心情を読み解こうとしたものです。
分析の結果、社会意識の変化によって、流行歌のモチーフが変化することが分かったとのことです。
現代人は、「諷刺」「自嘲」「閉塞感」といった悩みの中で「希望」を求めて歌を聴いているのではないかと考察しています。

今回のゼミでは、Pythonで感情分析ツール(ML-Ask)を使って歌詞の分析をする演習も行いました。入力したテキストデータから「喜・怒・昂・哀・好・怖・安・厭・驚・恥」の10種類の感情を推定できます。歌詞の大まかな感情をとらえることができます。

2023年5月18日木曜日

KH Coderを用いた歌詞分析演習

以下の論文の紹介をして、同じ手順で演習を行いました。

大出 彩,松本 文子,金子 貴昭「流行歌から見る歌詞の年代別変化」, 人文科学とコンピュータシンポジウム「じんもんこん2013」論文集, pp.103-110, 2013年

この論文では、日本レコード大賞および優秀作品賞受賞曲の計344曲を対象に、年代ごとに表れる歌詞の変化を調査しています。その結果、例えば、1990年代後半から2000年代にかけてネガティブな内容からポジティブな内容へ変化が見られることが示されています。

KH Coderを使って、レコード大賞曲を対象に同様の調査をしました。まずは、論文と同様のコーディングファイルを用いて、コードと年代のクロス集計し、カイ二乗検定結果を確認してもらいました。カイ二乗検定については、先週のゼミで説明と演習を行っています。予定では、コーディングファイルの書き方の説明をして、各自で工夫して新しいコードを追加して分析してもらうつもりでしたが、時間が足りませんでした。

今回の演習で、KH Coderによる分析の仕方に慣れたと思います。