2024年6月20日木曜日

YouTuber第1世代とZ世代の比較

 2022年度卒業生のゼミ論文である「YouTuberの今と昔 ―第1世代とZ世代の違いを比較する―」の内容を紹介しました。
この研究では、YouTubeがサービス開始した初期のころのYouTuberと現在のYouTuberの動画を比べています。その結果、動画の長さについては、初期のころは1~2分程度の短いものが多かったものの、最近は20分を超えるものが多く、1時間程度のものもあることが分かっています。サムネイルやタイトルについても変化が起きていることが分かっています。

今回のゼミでは、YouTuber第1とZ世代に関して、YouTube Data APIを使って動画の長さとタイトルを取得してもらいました。それらをExcelで分析して、世代間の違いをまとめてもらいました。

2024年5月16日木曜日

歌詞の感情分析

 2020年度卒業生のゼミ論文である「2020年音楽から読み取る日本の社会心情 〜流行歌の歌詞の分析〜」の内容を紹介しました。
この研究は、見田宗介著『近代日本の心情の歴史:流行歌の社会心理史』の手法を参考にして、2000年、2010年、2020年に流行した楽曲151曲の歌詞を対象にモチーフ分析を実行し、その分析結果から日本現代社会の心情を読み解こうとしたものです。
分析の結果、社会意識の変化によって、流行歌のモチーフが変化することが分かったとのことです。
現代人は、「諷刺」「自嘲」「閉塞感」といった悩みの中で「希望」を求めて歌を聴いているのではないかと考察しています。

今回のゼミでは、Hugging Face上の感情分析モデル(Mizuiro-sakura/luke-japanese-large-sentiment-analysis-wrime)を使って歌詞の分析をする演習も行いました。入力したテキストデータから「喜び、悲しみ、期待、驚き、怒り、恐れ、嫌悪、信頼」の8種類の感情を推定できます。歌詞の大まかな感情をとらえることができます。

2024年5月2日木曜日

ニュースツイートに関する統計処理演習

以下の論文の紹介をして、この論文前半と同じ手順で演習を行いました。

李光鎬「ツイッター上におけるニュースの普及 : どのようなニュースを誰がリツイートするのか」, メディア・コミュニケーション(慶応義塾大学メディア・コミュニケーション研究所紀要), No.65, pp.63-75, 2015年

この論文の前半では、ツイッター上ではどのような内容特性を持つニュースが、よりリツイートされるのか調査しています。具体的には、まず、ニュースツイート60個について、「面白いニュースである」「知っておくべき重要なニュースである」「笑えるニュースである」といった10項目それぞれについて、学生に1~5の5段階で回答してもらっています。そして、それらの平均値とリツイート数との関係を、相関係数、無相関検定、重回帰分析といった手法を使って分析しています。その結果、娯楽的価値が高いツイートほど、より多くリツイートされることが明らかとなりっています。今回は、これらの分析手法の説明をした後、Excelを使って分析の演習をしてもらいました。

近年、データサイエンス・AI教育の重要性が高まっており、本学でも「数理・データサイエンス教育プログラム(MDS)」が開始しています。このゼミでも、データサイエンスの手法について演習を行っていきたいと考えています。

2024年4月25日木曜日

文献講読

2024年度も教科書としてソーシャルメディアに関する書籍を1冊選んで、みんなで講読していきます。各回担当のゼミ生に説明してもらいつつ、関連する議論を進めていきたいと思います。全員、教科書を購入し、毎回予習として授業で扱う範囲を読んで来る必要があります。3年生ゼミと4年生ゼミの教科書は、それぞれ次の書籍です。

3年生ゼミ: 藤代 裕之 編著『フェイクニュースの生態系』青弓社

4年生ゼミ: シナン・アラル 著、夏目大 訳
     『デマの影響力 なぜデマは真実よりも速く、広く、力強く伝わるのか?』
      ダイヤモンド社

今回は文献講読の1回目でしたので、どのような資料を準備してくる必要があるか説明して、第1章の紹介をしました。

2024年4月1日月曜日

ゼミブログ

2024年度も、このブログでゼミ活動の紹介をしていきます。
文系大学での情報系ゼミということで、何をするかイメージができない人もいると思います。このブログにて、毎回の授業で実施した内容を紹介することで、詳しいことを知ってもらい興味を持ってもらえれば幸いです。
このゼミのことを、Word, Excel, PowerPointといったソフトウェアの使い方を学ぶゼミと勘違いしている人もいますが、これらの基本的な使い方に関する演習は行っていません。道具として用いるので、各自で基本的な使い方ができるようにしておいてください。
関連する科目としては、コース科目「情報システムとAI」、世界教養プログラム応用科目「情報とコミュニケーション」があげられます。本ゼミに興味がある人は、これらの科目を履修することをお勧めします。若山は1年1期「世界理解の方法」の終盤4回も担当しました。そこで説明したインターネット、ソーシャルメディア、人工知能といったテーマも、このゼミの対象となります。
なお、昨年度の4年生のゼミ論文は以下のようなタイトルでした。
  • ファッションにおけるSNSマーケティングと流行
  • 男女におけるSNS利用の違い
  • Instagramが与える人格形成への影響
  • ネット炎上の変化
  • 芸能人・YouTuber・インフルエンサーの影響力
  • 教育において学生たちは生成AIとどのようにつきあっていくべきか
  • ChatGPTを用いてみる ~現代の若者の「質問力」「要約力」~
  • 戦時中のメディアが国民に与える影響
  • 北陸新幹線沿線の観光促進
  • 志摩スペイン村におけるコラボイベントが消費者に与えた影響
全体的に、講義では行えなかった文献講読やグループワークなどの演習を多く取り入れていきたいと考えています。また、授業への参加・受講状況を重視します。遅刻・欠席には厳しく対処します。

2024年1月11日木曜日

ソーシャルメディア分析グループワーク

数回にわたって、Web上の口コミ、Xの投稿、YouTubeのコメントの取得方法と簡単な分析方法について演習を行ってきました。そのまとめとして、グループに分かれてテーマを考えてもらい4週にわたってグループワークを行いました。今回はその発表をしてもらいました。それぞれのグループとも面白いテーマで分析して、興味深い結果を発表してくれました。

その中から1つのグループの発表「坂道グループのそれぞれの強み」を紹介します。乃木坂46、櫻坂46、日向坂46の3グループについて、YouTube動画のコメント欄を分析することで、閲覧者がどのようなポイントについて興味を持っているかをまとめています。次に、各グループの歌詞をテキストマイニングすることで、どのような単語が多く使われているかを比較しています。これらの結果、乃木坂はダンスや歌詞が強み、櫻坂は高い表現力とカッコいい雰囲気が強み、日向坂は元気いっぱいで可愛さが武器のグループとまとめています。担当したアイドル好きな学生も、今回の分析で新たな発見があったと感想を述べています。

2023年11月16日木曜日

YouTubeコメントのテキストマイニング

 2019年度卒業生のゼミ論文である「YouTuber 東海オンエアについての考察 ~投稿動画のコメントから東海オンエアの人気を分析〜」の内容を紹介しました。
この研究では、再生回数が多い動画と少ない動画のコメントを分析することで、再生回数が多い動画の特徴を調べました。その結果、視聴者から特に注目されている動画内ポイントとして、メンバーの謎の動き、ふと出た言葉、巧みな言葉選びといったことが指摘されています。
この研究では、学生が目視で3000以上のコメントを1つ1つ確認して分類したため、大変な作業だったと思います。本人が好きなYouTuberだからできた研究と言えます。

今回のゼミでは、YouTubeからコメントを取得して、テキストマイニングする方法を説明しました。テキストデータをコンピュータで定量的に解析し、有用な情報を取り出す技術のことをテキストマイニングと言います。様々なソフトウェアがありますが、今回はKH Coderを用いました。形態素解析して、単語の使用頻度を調べたり、共起ネットワーク図を描いたりすることがプログラミングなしで簡単に行えます。投稿内容の傾向を大まかにつかむことができます。大量のコメントでも、簡単に分析ができます。しかし、詳細な分析をするには人間がコメントを読むしかないでしょう。