2024年4月25日木曜日

文献講読

2024年度も教科書としてソーシャルメディアに関する書籍を1冊選んで、みんなで講読していきます。各回担当のゼミ生に説明してもらいつつ、関連する議論を進めていきたいと思います。全員、教科書を購入し、毎回予習として授業で扱う範囲を読んで来る必要があります。3年生ゼミと4年生ゼミの教科書は、それぞれ次の書籍です。

3年生ゼミ: 藤代 裕之 編著『フェイクニュースの生態系』青弓社

4年生ゼミ: シナン・アラル 著、夏目大 訳
     『デマの影響力 なぜデマは真実よりも速く、広く、力強く伝わるのか?』
      ダイヤモンド社

今回は文献講読の1回目でしたので、どのような資料を準備してくる必要があるか説明して、第1章の紹介をしました。

2024年4月1日月曜日

ゼミブログ

2024年度も、このブログでゼミ活動の紹介をしていきます。
文系大学での情報系ゼミということで、何をするかイメージができない人もいると思います。このブログにて、毎回の授業で実施した内容を紹介することで、詳しいことを知ってもらい興味を持ってもらえれば幸いです。
このゼミのことを、Word, Excel, PowerPointといったソフトウェアの使い方を学ぶゼミと勘違いしている人もいますが、これらの基本的な使い方に関する演習は行っていません。道具として用いるので、各自で基本的な使い方ができるようにしておいてください。
関連する科目としては、コース科目「情報システムとAI」、世界教養プログラム応用科目「情報とコミュニケーション」があげられます。本ゼミに興味がある人は、これらの科目を履修することをお勧めします。若山は1年1期「世界理解の方法」の終盤4回も担当しました。そこで説明したインターネット、ソーシャルメディア、人工知能といったテーマも、このゼミの対象となります。
なお、昨年度の4年生のゼミ論文は以下のようなタイトルでした。
  • ファッションにおけるSNSマーケティングと流行
  • 男女におけるSNS利用の違い
  • Instagramが与える人格形成への影響
  • ネット炎上の変化
  • 芸能人・YouTuber・インフルエンサーの影響力
  • 教育において学生たちは生成AIとどのようにつきあっていくべきか
  • ChatGPTを用いてみる ~現代の若者の「質問力」「要約力」~
  • 戦時中のメディアが国民に与える影響
  • 北陸新幹線沿線の観光促進
  • 志摩スペイン村におけるコラボイベントが消費者に与えた影響
全体的に、講義では行えなかった文献講読やグループワークなどの演習を多く取り入れていきたいと考えています。また、授業への参加・受講状況を重視します。遅刻・欠席には厳しく対処します。

2024年1月11日木曜日

ソーシャルメディア分析グループワーク

数回にわたって、Web上の口コミ、Xの投稿、YouTubeのコメントの取得方法と簡単な分析方法について演習を行ってきました。そのまとめとして、グループに分かれてテーマを考えてもらい4週にわたってグループワークを行いました。今回はその発表をしてもらいました。それぞれのグループとも面白いテーマで分析して、興味深い結果を発表してくれました。

その中から1つのグループの発表「坂道グループのそれぞれの強み」を紹介します。乃木坂46、櫻坂46、日向坂46の3グループについて、YouTube動画のコメント欄を分析することで、閲覧者がどのようなポイントについて興味を持っているかをまとめています。次に、各グループの歌詞をテキストマイニングすることで、どのような単語が多く使われているかを比較しています。これらの結果、乃木坂はダンスや歌詞が強み、櫻坂は高い表現力とカッコいい雰囲気が強み、日向坂は元気いっぱいで可愛さが武器のグループとまとめています。担当したアイドル好きな学生も、今回の分析で新たな発見があったと感想を述べています。

2023年11月16日木曜日

YouTubeコメントのテキストマイニング

 2019年度卒業生のゼミ論文である「YouTuber 東海オンエアについての考察 ~投稿動画のコメントから東海オンエアの人気を分析〜」の内容を紹介しました。
この研究では、再生回数が多い動画と少ない動画のコメントを分析することで、再生回数が多い動画の特徴を調べました。その結果、視聴者から特に注目されている動画内ポイントとして、メンバーの謎の動き、ふと出た言葉、巧みな言葉選びといったことが指摘されています。
この研究では、学生が目視で3000以上のコメントを1つ1つ確認して分類したため、大変な作業だったと思います。本人が好きなYouTuberだからできた研究と言えます。

今回のゼミでは、YouTubeからコメントを取得して、テキストマイニングする方法を説明しました。テキストデータをコンピュータで定量的に解析し、有用な情報を取り出す技術のことをテキストマイニングと言います。様々なソフトウェアがありますが、今回はKH Coderを用いました。形態素解析して、単語の使用頻度を調べたり、共起ネットワーク図を描いたりすることがプログラミングなしで簡単に行えます。投稿内容の傾向を大まかにつかむことができます。大量のコメントでも、簡単に分析ができます。しかし、詳細な分析をするには人間がコメントを読むしかないでしょう。

2023年5月18日木曜日

KH Coderを用いた歌詞分析演習

以下の論文の紹介をして、同じ手順で演習を行いました。

大出 彩,松本 文子,金子 貴昭「流行歌から見る歌詞の年代別変化」, 人文科学とコンピュータシンポジウム「じんもんこん2013」論文集, pp.103-110, 2013年

この論文では、日本レコード大賞および優秀作品賞受賞曲の計344曲を対象に、年代ごとに表れる歌詞の変化を調査しています。その結果、例えば、1990年代後半から2000年代にかけてネガティブな内容からポジティブな内容へ変化が見られることが示されています。

KH Coderを使って、レコード大賞曲を対象に同様の調査をしました。まずは、論文と同様のコーディングファイルを用いて、コードと年代のクロス集計し、カイ二乗検定結果を確認してもらいました。カイ二乗検定については、先週のゼミで説明と演習を行っています。予定では、コーディングファイルの書き方の説明をして、各自で工夫して新しいコードを追加して分析してもらうつもりでしたが、時間が足りませんでした。

今回の演習で、KH Coderによる分析の仕方に慣れたと思います。